「―――・・・・ねぇ」

    「何?魔女さん」

    「面白い人が居るの。その人の所に会ってみない?」

    「面白い人?」

    「うん。きっと貴方のこと、分かってくれる筈よ」

    「・・・・・会ってみたいな」








    そして私は、聖創学院に通うことになった。
    “面白い人”を求めて。

    朝日が昇る。
    私は目を細めた。




    「さぁ、行っておいで。手筈は済んでるの」

    「有り難う、魔女さん」




    怪しげに微笑む魔女さんを横目に、私は気の向くままに進んだ。



























    「此処が君の教室だ。入ったら自己紹介な」

    「はい」




    魔女さんの言う通り、私は此処に転入することになっていた。
    そして1つの教室に導かれる。
    此処に“面白い人”が居るのかな・・・・・・・?





    ガラララ


    教室に先生と一緒に入る。
    するとざわついた雰囲気が、静まりかえって、皆私を注視する。
    取りあえず小さく息を吐いて、教室を見回した。




    「 です。宜しくお願いします」




    私がそう言うと、男女ともに声が上がった。
    可愛いーとか、髪綺麗とか、美人だーとかその他諸々。
    取りあえず微笑んで返しておいた。

    ・・・・・・・!




    「みんな、仲良くするように。席は・・・・空目の隣だ。空目!」

    「・・・・・はい」

    「あそこの席だ」




    空目。何故か耳に残る名前だった。
    それに後ろに・・・・何かが“居る”。
    私は注意深く、空目君の横の席に行った。




    「宜しくね、空目君」

    「あぁ」




    黒尽くめで無愛想、それが第一印象だった。
    そして、後ろにふっと目を向けた。
    驚いた。




    「うわー、その子私とそっくり!」

    「・・・・・・!」




    私は周りに気付かれないように、小声で言った。
    だって本当にそっくりなんだもん!
    空目君とその子は、私以上に驚いていた。




    「・・・・見えるのか?」

    「うん、普通に。身長が違う位じゃない?凄いな〜・・・鏡見てる見たい」

    「・・・・・・・・・・・・・」




    空目君とその子は黙りこくってしまった。
    何か変なこと言ったかな?
    でもみんなこの子に気付いてないって事は、同じ異存在だよね・・・。
    どうして平然とココに居るんだろ?
    これが魔女さんの言ってた“面白い人”なのかな。





    「、お前は異存在か?」

    「ん?・・・・どうだろうね〜」

    「即答しないと言うことは、認めると言うことか?」

    「ご想像にお任せします」

    「そうか」




    この人だ。絶対“面白い人”ってこの人のことだ。
    私は確信した。
    ちょっと微笑みながら、鞄の中からノートとかを机の中に仕舞う。




    「ねぇ、空目君。後ろの子の名前何て言うの?」

    「あやめだ」

    「ふ〜ん、可愛い名前だね。宜しく、あやめちゃん」

    「は・・・はい・・・・・・」



    かーわいいー
    妹にしたいキャラNO.1って感じかな。
    取りあえず握手。




    「・・・・・・・・・・さん・・・・・・・」

    「何?あやめちゃん。あ、さん付けとかじゃなくて良いんだよ〜」

    「は、はい・・・あの・・・・・・・・・どうして、闇を・・・閉じこめてるんですか・・・・・・?」

    「闇?あぁ・・・・・・そのうち分かるんじゃない?」

    「そう・・・ですか・・・・・・」




    中々鋭い。関心、関心。

    私は無理に此処に召喚されたから、後ろの異界を閉じこめないとイケナイ。
    じゃないと異界に還ってしまうから。
    見える人には見える、後ろの“異界”、闇。





    「さぁ・・・・・愉しもうかな・・・・」




    私は小さく呟いた。



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