歪んだ













  「鏡は不思議よね。必ず全てのモノを反対に映す。でも何かが違う」

  「どうしたんだい?突然」

  「・・・鏡を見て思ったの。常に鏡は“歪んで”ると」




  全ては確かで、全ては不確か。
  それが“鏡”。
  映し出すモノは全て左右反対。決して“そのまま”を映すことはない。
  鏡は、我が儘。




  「だけど鏡は美しい。 はそう言いたいのだろう?」

  「そうね。醜くも美しい。鏡は全てを映し出し、繋げてくれる」

  「異界に最も近いからね。それにしても、全く面白いことを言うね」




  くつくつと笑みを見せ、 を仰ぎ見る。
  そして神野の横に、大きな鏡が姿を現した。
  高さは2メートル程あるだろう。
  茶色の縁は、綺麗な細工をされていた。




  「ほら、やはり君の姿は映らない」

  「私は不確かな存在。鏡は私を受け入れてくれなかったのね」

  「なら“歪み”を与えてみようか?」

  「・・・・・・大丈夫、見て。既にこの鏡は“歪ん”だわ」




  先ほどまで写らなかった の姿。
  しかし今は確実に映していた。鏡に“歪み”が出たから。
  映してはいけない、不確かなモノが映し出される。




  「また“歪んだ鏡”が増えたわね。良いことだわ」

  「・・・自分が居る、と証明されるようで?」

  「そう、ね。ふふ」




  歪んだ鏡は、元に戻らない。
  一段と近く異界に近付いた鏡は、離れることは出来ない。
  そして今日も、不確かなモノを映し出す。







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