レンズ越しの未来

















  「最近視力落ちたのかしら・・・」

  「どうしたんだ?」

  「此処からでも恭一の顔がぼやけるの」


  はテーブルの端から、そのテーブルの反対側にいる空目の顔を見る。
  だがその輪郭はぼやけていて。

  でも相変わらず見えるモノならある。

  異存在のモノとか。


  「・・・・・・眼鏡を掛けたらどうだ」

  「持ってる訳ナイでしょ」

  「貸してやる」


  空目は近くに置いていた鞄を取り、その中から黒の眼鏡ケースを取り出す。
  そして立ち上がり、に渡した。


  「・・・恭一はいいの?」

  「構わん。がつけていろ」

  「ありがと」


  眼鏡ケースから黒縁の、楕円形の眼鏡を出す。
  掛けてみると、意外と度も合っていて見えやすかった。


  「どうだ?」

  「丁度良いわ、有り難う。今日貸しててくれる?」

  「あぁ」


  は、目を顰めた。
  レンズ越しでも異界のモノは見えてしまう。
  どう足掻いても、消え失せない世界。


  「まだ見えるのか?」

  「えぇ、勿論」


  空目は知っている。何が見えているのか。
  そして言った。


  「なら消してやる」


  そう言って、空目はの唇を塞いだ。
  何も見えない。
  ただ、空目の漆黒の髪色だけ。

  いつか、見えなくなることを祈りたい。



  「未来は真っ暗?」

  「・・・さぁな」



  2人は苦笑した。









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