「恭一、これ・・・何?」
The tree of a strawberry
「苺の種だ」
「苺!?有り難うー!私苺大好き!!」
朝文芸部の部室に行った途端、空目に3粒の種を渡された。
よく分からないままだが、苺は好物なので早速埋めよう、とは考えている。
「でもどうして、苺の種を?」
「・・・花言葉、知らないのか?」
「知らない。何なの?」
「自分で調べてみろ」
ハッキリ言って、花言葉なんて気に掛けたことがない。
だが今回ばかしはかなり気になってしまい、ダッシュで図書室へ向かった。
「花言葉、花言葉・・・。あ、この本で分かるかな〜・・・」
図書室で花の図鑑などが置いてある一角に、は陣取った。
そしてペラペラと索引を頼りに捲りながら、数分して、やっと苺の木を見つけた。
「苺の花言葉は・・・・・・ッ!」
は顔を真っ赤に染めた。
そして急いで、図鑑を元の場所に返し、部室へと向かった。
「・・・・・・恭一!」
「何だ?」
「花言葉・・・本当、なの?」
「あぁ。本当だ」
部室の扉を開けるやいなや、は空目に尋ねた。
苺の種を、握りしめながら。
「なら、1粒あげる。私も・・・同じ気持ちだから・・・・・・」
「そうか、有り難う」
そう言うと、空目は本を閉じ、に近寄った。
顔は真っ赤で、まるで苺のような。
空目は喉の奥で笑った。
「俺は、貴方だけを愛してます」
空目はに、優しく口付けた。
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