ドキリ。

  ほら、まただ。
















  「とーしーやっ!」

  「何だ?」

  「次体育の中距離走でしょ?勝負しようよ!」

  「別に良いが・・・・」



  ピョンピョンの跳びはねるように嬉しがっている。
  でも俺の内心は、心臓がバクバクなんだ。
  何でかは分からないけど・・・・

  お前に呼ぶ声に、どうしても過剰に反応してしまうんだ。



  「じゃ、ちゃんと覚えててよ!」

  「あぁ、分かってる」



  そう言えば前、緊張しすぎて約束忘れてたんだっけ。
  大丈夫。今回は覚えてるから。
  前よりも、凄く嬉しく感じるから。




  「―――・・・・・・・




  つい、呼んでしまった。
  でも凄く小さな声だから、聞こえないだろう。
  俺は少し自嘲した。




  「俊也、今下の名前で呼んでくれた?」

  「え・・・・あ、あぁ」

  「わーい!初めて呼んでくれたね!ありがと、俊也っ」


  ニッコリと微笑む・・・・・・
  俺もつられて、微笑んだ。





  お前の呼ぶ声に、



  貴方の呼ぶ声に、



  ドキドキしてしまう。



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