「ねぇ、恭一」

  「何だ?」

  「これってどーいうこと?」


  は、本の一文を指でさした。

  此処は空目の家の書庫。
  はあまりオカルト系統に興味はなかったが、少しでも空目に近付こうと思い、
  半場無理矢理空目の家に押し入ったのだった。

  無論、に難しい言葉等は解るはずもなく。
  何度もこうやって訪ねていた。


  「それは此処を読むと良い」

  「あぁ!有り難う〜」

  「・・・・・・」


  空目はもう1冊の本を出してきて、ページを開く。
  オカルト事典と題されて本から、すぐに開かれたことには少し吃驚した。
  500ページは優にあろうと言う本だ。
  すぐに見つけ出すとは、半端じゃない。


  「う〜ん・・・・・恭一、この本ある?」

  「ああ。4段目の真ん中辺りだ」

  「えっと・・・あ、あった。借りるね」


  は背伸びをして、どうにか本を取ろうとする。
  だが、


  「きゃぁ!」


  取ろうとしていた本と一緒に、左右の数冊が一緒に抜け落ちた。
  勿論重力に逆らうことなく、の頭上に落ちてきた。


  「!」


  ガラララ、ガタン


  しかしその瞬間、空目が飛び出しの腕を掴んで後ろに引いた。
  は後ろ向きに倒れ込んだ。


  「・・・・きょ、いち?」

  「大丈夫か?」

  「え・・・・あ、うんっ。ゴメン、有り難う」

  「構わん」


  空目は1つ大きく息を吐いて、を立たせた。
  そして落ちた本を拾い始める。


  「ゴメンね、大切な本なのに・・・・・」

  「構わん、気にするな」


  も一緒に本を拾う。時々空目の表情を伺いながら。
  その時、


  「・・・・・・・!恭一、今・・・笑わなかった・・・・?」

  「・・・・ああ」


  一瞬見た表情。
  それは苦笑するような、唇の端をほんの少しだけ上げた笑み。
  はそれを見逃さなかった。


  「初めて見た、恭一の笑顔」

  「・・・・・・・限定だ」

  「!!・・・・有り難う」


  そう言って、2人は微笑みあった。



  彼の笑顔は、限定。




[★高収入が可能!WEBデザインのプロになってみない?! Click Here! 自宅で仕事がしたい人必見! Click Here!]
[ CGIレンタルサービス | 100MBの無料HPスペース | 検索エンジン登録代行サービス ]
[ 初心者でも安心なレンタルサーバー。50MBで250円から。CGI・SSI・PHPが使えます。 ]


FC2 キャッシング 出会い 無料アクセス解析